この間、5階建てのスタジオのビルから現地調査と見積もりの依頼がありました。
行ってみると、有名な歌手の皆さんが録音するスタジオらしく、音楽専門のスタジオでした。
スタジオ専門のビルというのは、ある意味でとても難しく、他社のお手上げ物件が多いのです。何が難しいかと言えば、各階の床が至るところで大きく開いていて、3階から2階が丸見えだったりするわけです。大量の何百という配線、大小様々の太さも色も違うコードが通り抜けているわけです。その床の一部や壁の一部を閉鎖しようとすると、配線には触らないで下さい。と言われるわけです。なぜなら、配線は時々入れ替えたり変更したりするそうです。
ですから、通常のビルであれば、パイプスペースなどで上下の階の動きを止められますが、スタジオは上下階の動きを止めることができないのです。
その上、スタジオという特殊な構造の難しさがあります。それは、防音壁などの問題で、外壁から内側の室内にかけて、防音材が大量に使われています。断熱材のようなガラス繊維だったり、発泡スチロールだったり、いずれもネズミ達が≪巣≫を作りたい絶好の素材であり、建物の構造からしても最高の解放区なのです。
スタジオ側の内装側から、防音壁に穴を開けるわけにもいかないし、外壁側からでは鉄筋などがあって無理ですし、本当に難しいのです。≪巣≫を撤去することが困難を極めるわけです。難しいということは許されても、メンドクサイというのは許されないのがプロの仕事ですね。