一昔前の話ですが、豚コレラというのが南九州のあるところで発症しました。
人間には感染しないことから、マスコミではあまり大きく取り上げられませんでしたが、地元では大問題でした。
県と厚生省からの依頼を受けて、現地に行ってみると、右側の尾根から左側の尾根まで、約5キロ四方に、18箇所の豚舎があり、その間はサツマイモ畑でした。また、所々には、和牛の牛舎もあり、恵まれた環境で、ネズミ達にすればサツマイモも食べ放題なら、豚舎も牛舎も自由自在のエサ放題という感じです。
そんな環境で、2キロメートルぐらい離れた豚舎で、豚コレラが感染しているということは、ネズミ達によって感染しているとしか考えられないから、この谷のすべてのネズミ達を駆除してほしい、というのが依頼の内容でした。
そりゃね。いろいろな他社のできない仕事もたくさんしてきましたが、右の尾根から左の尾根まで5キロ四方と言っても正確に測ったわけでもなく、大よその話であり、何しろ自動車で走り回る広大な広さでした。
ノウハウにも関係しますので、詳細は申し上げられませんが、条件付でお引き受けし、無事に仕事が完了いたしました。
後日になって、豚コレラの原因は、認可を受けていない未公認のワクチンを海外から輸入した業者が勧め、農家が恐れて摂取させたところ、弱っていた豚の免疫力が抵抗できず、発症してしまったそうで、豚舎から豚舎へのネズミ達に起因する感染ではなかったそうです。しかし、その調査結果が到着するまでの約1ヶ月間は、弊社にとって死に物狂いの期間でした。