随分前の話だが、中古の外車を購入した。
たまたま実家に行く用事があり、父親に会うと、
「非国民だな。外車を買うなんて。例え何百万円かも知れないが、国産車を買えば研究開発費が増えたかも知れないのに。」
というのである。
私は、「外車とは言っても、中古だから、海外にお金は流失していない。だから、非国民ではない。」と反論したことがあった。
先日、久し振りに父親に会った。
「もう、何キロになった。」と走行距離を聞かれ、「13万キロになろうとしている。」と答えると、「良く長持ちしているな。」と言われた。
そこで私は言った。
「中古外車を購入することは、非国民ではなく愛国者だ。」と言うと、怪訝な顔している父親が、「なんで外車が愛国者なのか。」と聞いてきたので答えた。
「わたしがこの中古外車を購入したことで、多くの整備の仕事を発生させ、ディーラーのエンジニアの雇用の創出さえ貢献したかも知れない。」と言うと、
「私の国産車は、15年になるけど、未だに壊れたことがない。」と言うのである。
今度こそは、壊れない国産車にしようか、と真剣に考えている。
燃費も悪いし、何しろ壊れるだけでなく、修理するにも、部品の到着も遅いし、修理期間も修理代金も、本当に・・・・。
帰ろうと思って、実家の前でエンジンを掛けた。
バックギアーに入れても、サイドブレーキを外しても、車が動かない。
モニターには、警告表示が出て、<ミッションの性能低下です>という文字が出ていた。
ついに、ミッションの交換のようだ。
保証期間中だったので、ホッとしたが安くはないと思う。
ディーラーの人が言った。
「ミッションはアイシン製で国産品ですから、壊れないと思うので、センサー異常から調べさせて下さい。」
販売ディーラーのメカニックも国産品の信奉者のようだ。