先日、ある食品工場に現地調査に出かけた。
「ネズミが侵入してしまったようだ。
ネズミのフンと思われるものがある。」
と代表者の方から深刻な悩みのようなお電話を頂いた。
行ってみたら、コウモリのフンだった。
コウモリのフンが、
新しく運びこまれた段ボール箱の一部に
付着していたものであり、
施設内にはネズミが居ないことが最終的には理解でき、
電話されて来られた代表者の方もホッとされていた。
この工場で、私は素晴らしいモノを見た。
衛生管理に関する徹底された考え方と実践である。
例えば、爪ブラシも偶数日用と奇数日用があって、
交互に使用して、交互に乾燥させることで
菌数を減らすと考えておられる。
使用されているフキンの白いこと。
こんなにきれいなフキンがあるのかと思うほど。
設備機器の端々まで、
綺麗に清掃されているのではなく、
磨き上げられている、という感じである。
たった一個のコウモリのフンが
管理区域内に入っただけで、
その階のすべての製造ラインは休止、
利益より安全を優先するという考え方。
感服してしまうとはこのことである。
見習いたいものだ。