とある銀座のビルのオーナーから依頼があり、現地調査に行った。
話を伺うと、そのビルに入居している高級クラブの経営者が、「過去5年間にわたって、ネズミの殺鼠剤を置いてみたり、市販の粘着シートを置いてみたり、3社に依頼して駆除し続けてきたが、一向に効果がなく、売れっ子のホステスなど辞めてしまう人も出て、店としての損害は計り知れないぐらいある。よって、ビルの経営者として対応して欲しい。」とのことだった。
3社のネズミ駆除業者は、「いずれも当該店舗には侵入口がなく、構造躯体を通じて他の店舗や他のフロアーから侵入して来ているものだから、ビルオーナーに請求してビル全館を駆除するべきです。1店舗では無理です。」と言ったらしい。
どうもネズミをきっかけに、お金の問題に発展しそうな臭いがする。
弊社は依頼者の為に働くと言うより、真実の公平性だったり、事実関係をそのまま忠実に判断するなど、どちらかに加担したり、事実を押し曲げて解釈することはできないので、虚心坦懐に現場入りした。
先入観を持ってしまうと見落としてしまうこともあるからである。
すると、ダクトの見えにくい影の部分が開いていて、天井裏の鉄骨が見えてしまう箇所があった。
弊社の見解としては、内装工事の一環として料理を作る厨房の排気の工事において、手抜きがあり、開いたままになっているという状況である。
3社は、ここを発見できず、見落としたままの施工をしていたのである。
少なくとも、ビルの家主側の構造的な欠陥などが理由とは言えないから、今回の予備知識である、高級クラブ経営者の主張は、的外れなことになる。
すると、ビル経営者は、当該クラブがそんな工事をしたまま、何年間も徹底した駆除施工をしないために、ビル全館にネズミが及んでしまったのは、当該クラブの責任である。よって、全館のビルの駆除費用を負担しない、となってしまったのである。
ビル側の依頼を受けたのと、店舗側の依頼を受けたのでは、弊社の施工によって答えは大きく変わったと思われる。
いずれにしても、お金の問題になってしまう前に、すぐにネズミを完全駆除して欲しいものである。