昨日、現地調査にお伺いしたお宅は、3年前に全面的なリフォームを実施された、大手の有名なリフォーム会社だった。
「室内にもネズミが出てきている。大至急何とかしてとほしい。」という調査と見積もり依頼があったので、駆け付けてみると、それは酷い状況であった。
あちらこちらに穴が開いている。
穴だらけと言える。
玄関の両サイドにもある。
その60センチ先にもある。
どうしてリフォームしてから今日まで、ネズミが入らない3年間という期間があったのか、その方が不思議なくらい。
お客様はどうしてもタダで穴埋めさせられるという考えなのか、リフォーム会社に責任を取らせてやらせたいようだ。
そこで、ただの調査である駆除会社の見積もりを利用して、「穴と言う穴の場所をすべて教えてほしい、写真を付けて提出して欲しい」というのである。
その後主人に説明した。
「まず、リフォーム会社に言えば、ネズミに関係なく、下請け業者に責任を取らせて、ガス屋さんにガス管の隙間、電気屋さんにも電気配線の隙間、大工さんには木工の隙間というように、各業者がネズミに関係なく閉鎖してしまいます。そうすると、ネズミを閉じ込めてしまって後で駆除するのは大変なことになりますよ。すべての穴は埋まったとしても、ネズミを退出させる穴がなくなったら、どうするのですか。」と説明したが、後日奥様から、「写真と穴の位置を書いた物を下さい。」という催促が来ただけだったので、お断りした。
世の中、責任を取らせるという方法を間違っている。
ネズミの駆除を先にして、支払った費用を求償権として、リフォーム会社に請求すれば良いのに、手間を掛けたくない、ただでやらせたい、後で求償権に応じなかったら、負担しなくてはならない。などの不安感から、お金を支払ったという『王様の権利』を先に行使したいようだ。
この物件、6カ月後ぐらいに依頼が来る、というのが一般的で、その時は、閉じ込められてパニックになったネズミだったり、増殖して増えたネズミだったり、これらが室内を走り回ってダニだらけなどの状況になる。
先が見えているだけに、説得力に欠ける私の説明が歯がゆくなってしまう。
もう少し、説得力があれば、あの小さいお子さんに被害が発生しないで済むのに、と思ってしまう。
『業者に責任を取らせる。王様の権利』には勝てないようだ。