ケーキ屋さん。
5年前、駅に近いメインストリートの大きな物件に移転し開業されたそうだ。

「5年間はネズミが侵入することはなかったが、最近になって出て来るようになった。見てほしい。」と言われて現地調査を実施して驚いた。

5年間もの長い期間、よく侵入しなかった、と感心するほど、ドカンと開いている。
建物の基礎部分の周囲のすべてが開いている。
建物に構造的な欠陥がある。

借りているケーキ屋さんには何の落ち度もない。
小麦粉の管理も万全。
勝手口のドアについても開放されていない。
厨房内も店内も綺麗に整理整頓されていて、むしろ優秀なぐらいの施設管理。
明らかに建物に責任ありのケースである。
法律的に言うと『瑕疵ある物件』ということになる。
雨漏りであれば、家主が修繕するが、ネズミの侵入はしょうがない、と片付けられてしまうケース。
または、「以前に家主が駆除業者を頼んで駆除しようとしたができなかったので、ネズミ駆除は不可能だから、イヤだったら出て行ってください。他にも借りてくれる人は居るから。」と開き直られるケースさえある。

家主によって、対応もまちまちなら、テナントに対する配慮もまるで違う。
以前に大阪のあるお寺のご住職様が家主の物件では、飲食店が営業できなくなっては大変なことだとして本堂のねずみ駆除を中断してテナントにおけるねずみ駆除を優先的に実施し、予算的に余裕ができてから、本堂は再施工となったケースもあった。

一方、東京・上野の商業ビルでは、過去に4社も依頼したけどできなかったから完全駆除は無理と言い張るのである。
弊社が完全駆除可能な物件です。と説明しても4社ができなかったし、過去にもそう言った業者が居た、などとして信じてもらえない。
弊社が東京●●区のゴミ処理場の施工では、16社目で初めて完全駆除を達成したことなども説明したが、信じてもらえなかった。というより、頭から駆除する気などなく、「うるさいテナントは出て行け。」と言わんばかりの態度だった。

弊社のように完全駆除してしまう会社の出現より、テナントが原告となり、テナント側の勝訴が連発する時代になると考えている。