先日、某現場で脚立から落ちてしまいました。
そして、運悪く下から2段目に足が引っ掛かり、お尻から落ちて、上半身が後に伸び、後頭部を鉄製の階段に強打したために、鉄製階段はお寺の鐘が鳴るように、『ごぉーーーん』と鳴り響き、頭皮はパックリ開いて大量出血。
救急車のお世話になりました。
休日でしたが、幸いにも大学病院には、脳外科の専門医の先生が居て下さり、CTなるもので、頭の中まで撮影して頂き、3針というか、3ホッチキスで縫合し、治療は終了しました。
その脳外科の先生は、「これは縫わないといけないから」と言われて、何やら真空パックの袋から、プラスチック製の機械のようなものを取り出しました。
「ホッチキスのようなもので止めますからね。ホンの一瞬、チクッと痛いかも知れませんが、我慢してください。」と言い終わるかどうかぐらいのタイミングで、後頭部では「ガチッ」<ガチッ>【ガチッ】。
確かに麻酔もしていないのに、チクッという程度の痛みで簡単に終わりました。
医学部には昔は縫製の針仕事を教える先生が居たけれど、最近は針や糸で縫い上げる技術の伝承がなされていないのか、と疑いたくなるような出来事でした。
それから10日目が抜糸にあたる日で、ホッチキスが外してもらえると聞いていましたが、忘れもしない6日目に出社してきたパートタイマーの方〔在籍20年を超え、代表を取り締まる役パートタイマー という肩書きの持ち主〕が、「社長、心の準備が必要ですよ。ホッチキスを外すのは本当に痛いですよ。私は帝王切開の時にホッチキスでしたけど、それは、それは、外す時が痛かったですよ。」と教えて下さった。
痛がり屋の私は、即座に「それってイジメですか。」と聞き返しましたが、「正確な情報提供と心の準備というものです。」と言われ、日頃の大変気の効いたサポートぶりから感謝して拝聴したが、それでも正直ビビッていました。
「もう少し接合部の頭皮が厚くなってからしようか、そうすれば、痛みも多少違うかも知れない。イテッと言った瞬間に動いてしまったら、裂けてしまうかもしれない。」
抜糸にあたるホッチキスの撤去予定日まで、それが最大の悩みでした。
答えは、まったく無痛でした。
医師曰く、「周りのカサブタをちょっと綺麗にしますのでちょっと痛いかな。脱脂綿で拭いておきますね。」と言った次の瞬間、「これですよ。」と変なM字になった3本のホッチキスが先生の手のひらに乗っていました。
25年前の帝王切開後、格段の進歩をしていたようだと、ホッとしました。