前回、2010年の年末に出張でバンコクに訪れてから、2年が経過して再訪となった。
変わっていた。この国は変化している。と感じたのが、日本人経営の店舗がやたらと増えたことである。中でも印象的な事例を報告してみたい。

ラーメン店と言えば、行列店。都内の有名なラーメン店ばかり、6店舗も誘って、『ラーメン・チャンピョンズ』という名称でオープンしていた。①池袋の大勝軒(元祖つけ麺)、②麺徳二代目つじ田(濃厚豚骨魚介ラーメン)、③きび(鶏白湯らーめん支那そば)、④助屋×吟屋(信州豚骨極味噌らーめん)、⑤初代けいすけ(こだわりの黒味噌らーめん)⑥せたが屋(東京醤油魚介ラーメン)
というお店である。
これらのお店が、開店したのが、2010年であり、開店景気と言うのかも知れないがその頃は行列だった。

ところが、2年経過して、今回同じ場所を訪れてみて驚いた。午後1時30分に到着したら、お客様がひとりも居ない店舗が2店舗、いわゆるガラガラ状態である。選挙に例えれば、立候補はしてみたものの、明らかに落選と同じだと感じた。
各店舗ともグランドメニューだけでは厳しいようで、追加の限定メニューなどと称して安いメニューを提示したりしているが、後の祭りという感じが否めない。日本と同じ価格に相当する200バーツから250バーツという価格設定は、明らかに現地の人々からすれば、高過ぎるのであろう。現地の労働者は、日給300バーツで働くそうだ。富裕層や日本人相手というけれど、結果は落選のようだ。

同じ日本のラーメンでも、『8番ラーメン』などは、大型商業施設の中に出店して繁盛している。1杯の価格が80バーツ程度に設定されていて、一般市民からすれば、若干の贅沢な価格であろうと思われるが、お客様は充分に入っている。丸亀製麺も90バーツ前後で来店客数が多い。

一般市民は、屋台で15バーツから30バーツの範囲内で、美味しいタイラーメンを食べている。価格格差と品質、一般市民と富裕層。この国で確実な支持を得ることは、なかなか難しいようだ。