弊社に入社したばかりの48歳氏が、自称『健康オタク』と言ってみたり、このあたりの道路事情は詳しいと言ってみたりする。30年間住んでいる地域ですから、と言うのである。

確かに、『健康オタク』というだけあって、他の人があまり詳しくないことまで知っていることがあるかと思えば、オタクとか、マニアとかというレベルなら、当然知っているべきことを知らなかったりすることもある。

ホメオパシーという、医療類似行為がある。彼のお兄さんはドイツで、ホメオパシーの治療により、歩けるようになった、というのを信じ込んでいる。彼自身もドイツに行き、以来ホメオパシーの信奉者のようになっているようだ。

ところが、そのドイツでさえ、2004年から健康保険の適用が禁止になったりしているし、先進国では軒並、医学的根拠がないとして否定されている。世界的にみれば、インドとか中南米とか、貧しくて医師の診察を受けられないとか、薬が買えないような地域でのみ、ホメオパシーは盛んで生き残っている。

本当の『健康オタク』がこんな非科学的、医学的根拠がないと世界中が表明しているものを信じるのであろうか。
最も彼自身、ドイツで保険適用が禁止になったことを知らなかった。私は、インターネットで調べただけなので、オタクなどというレベルではない。俄かオタクというレベルだ。
『健康オタク』氏は、インターネットで調べるなどしていないようだ。オタクというからには、ネットレベルではなく、もっとハイレベルな世界を知っているべきだと思ってしまう。
しかし、誰でもが、すぐにググってしまう時代、ネットはオタクを飛び越えてしまっている。
オタクにしても、マニアにしても、インターネットレベルでは、自称するべきではない、と痛感した。人の振りみて、わが振り直す。というが、すぐに専門家ぶってしまうと、周囲の人間は、厳しい評価をしてくる。実に情報化時代で難しい時代だと痛感させられる。
誰でもが情報を得られる時代だから、最低限のインターネット情報は身に付けたうえで、より専門性が高い場合だけ、オタクという肩書を名乗れるようになると考える。