あるラジオ局からの出演依頼があった。テーマは、『築地の中央卸売市場のネズミ問題』、すなわち築地の市場が移転したら、ネズミの大発生の問題が起きるのではないか。という問題であり、ラジオ局はそのストーリーが前提の取材になっている。
だから、反対の考え方を提示すると、出演依頼はなくなる。出演しないで済めば、じゃんじゃん掛かってくる問い合わせ電話などに対応しないで済む。だから、最近ではラジオ局やテレビ局でも、まるでヤラセ番組のような、先にストーリーありと言うような編集方針のはっきりしている番組には、協力しないようにしている。
実際、番組に出演すると、一般の方々から問い合わせがジャンジャン掛かって来て、その集中豪雨には参ってしまうことが多い。弊社は、本社を中央区銀座としているが、このような問い合わせの集中豪雨に対応してもらうために、電話対応をアウトソーシングした結果である。
すべての電話に対応していると、仕事にならない。受話器を置くと鳴ってしまう、受話器を置けないという状況になってしまう。そのうえ、日頃はネズミ駆除の必要性も感じていない人たちが、たまたまテレビやラジオを聞いたから、そう言えば、我が家にもネズミがいたという程度で電話されてくるので、見積書を提示しても成約にならない。いわゆる、冷やかし的な問い合わせばかりで、仕事にならなくなってしまう。

元に戻ろう、築地市場の移転とネズミの発生。通常なら考えられないことはない。なぜなら、過去にも有楽町の日劇を解体した時、周囲の飲食店は大変なことになった。そんな事例は、枚挙にいとまがない。
しかし、昨今では東京23区の場合、条例ができて地域再開発などの場合、建物の解体の前にネズミ駆除を実施しなければならない。と規定されていて、当時とは違うのである。
従って、東京都が条例に違反して駆除しないとか、駆除業務を依頼された業者が実力不足で、満足に駆除もできないというのであれば、大変なことになるかも知れないが、ちゃんと駆除すればゼロになるので、結果としては問題は、発生しないと考えられる。
ところが、番組の制作者は、左の考えばかり取り上げ、右の考えを出そうともしない。最初から偏見報道しているようなものだ。
お陰で、冷やかし問い合わせがなく平穏無事である。メディアに取り上げられたことばかり誇ってネットに掲載しているような業者が、大変ことになるとコメントしていた。