3メートル65センチという長い角材を車両の屋根から下ろすという作業を従業員に手伝ってもらった。
「長い角材の真ん中を持つと、重くないよ。」と思わず声を掛けた。従業員は意味が理解できないらしい。そのうえ、「何を言っているんだ。重くない訳がない。現実に重いのだから。重量が減る訳がない。」と思ったに違いない。
そこで、営業車の屋根から下りて、実際に持って見せた。そして、持たせてみた。従来の持ち方も経験させた。その上で違いを理解させることに成功した。
長い角材ほど、端っこではなく、中央部で持ちあげれば、バランスが取れて持ちやすくなるという意味だったのです。
このケースでは、私の経験値がモノを言った。彼がたまたま日曜大工の経験がなかったのだ。
ところが最近、私の知らないこと、やったことのないこと、これらの経験値がないことについて指示したり、業務命令しなければならないことが多くなってきている。
これがつらい。自分でやってみないことには、なかなか言えない。そこでちょっと経験してみて、経験者のつもりになって会話すると、スタッフの方がベテランであり、レアケースまで熟知している。自分でやってみる価値、考えさせられることが多い。