不動産というのは、<転貸禁止>というのが常識だろうと思っていた。家主が貸した相手は、Aさんなのに、まったく知らないBさんやCさんなど、入れ替わり出たり入ったりされては困ってしまうから<転貸禁止>は当然のことだと思っていた。

ところが、最近になって弊社のお客様に<転貸>を専門としている業者からの駆除依頼があった。こう言っちゃあ申し訳ないが、お世辞にも新しいとは言えない住宅を借りて、風呂場に鍵が掛かるようにして、トイレには当番制の掃除担当者の氏名をチェックする一覧表を貼り、各部屋にも鍵を付けて、個々の部屋を貸しているのである。<間貸し>というタイプであり、昔なら居住者は間借り人と言われたかも知れないが、現代は違う。

<間貸し>ではなく、シェアハウスと言われる。シェアハウスで暮らす人は、間借り人ではなく、シェアメイトという。

借りる理由も経済的な理由もさることながら、5年後・10年後に『今の人生があるのは、あの頃の住まいと暮らし方が影響している。』などと考えて、年齢も違う国籍も違う人々が集うそうだ。

○○荘だった建物は、プレミア○○とか、ガーデンハウス□△だったり、変わっている。変わっていないのは、築年数とネズミの生息数ぐらいではなかろうか。

しかし、リフォームによる改装、イメージ戦略とコンセプト、これらの総合力が借り手の居ない旧宅を蘇らせているのは事実である。

住宅件数が世帯数を超えているという現実は、別荘を持っている人々とか、田舎暮らしで都会の子供に引き取られた空き家の老人宅なども増えているとは思うけれど、基本的にあまった物件を蘇らせることは、大きなビジネスチャンスではなかろうか。

私なんぞは、他人様でなくても、娘たちとは宇宙人と会話するほどのイメージの出会いであり、カーちゃんに至っては、取扱説明書がないから、25年経っても理解不能な日々であり、他人でなくても、家族であっても、鍵がなくても、外人でなくも、意思疎通は他人以上に通じていない。あーあっ。