先日、とある料亭様から調査依頼のご連絡を頂いてお伺いした。経営者ご自身がビルのオーナーでもあり、上は賃貸になっていて、下の2フロアーが経営されている料亭になっている。
お伺いするなり、「私はね、パソコンが趣味であり、多くの駆除会社のホームページを拝見し、様々の会社に声を掛けた。あなたの会社で6社目だ。アイミツを取っているから、発注にならないかもしれないけれど、宜しくね。」と言われた。
弊社は、アイミツが大嫌いである。安い業者を探すということは、金額だけを見て決めることになる。内容まで精査していないケースがほとんどだし、精査しきれない。仕事を頼んでみて、または調査を依頼してみて、他社とは全く違うから良かった。と理解されても、なかなか報告書と見積書だけでは、判断が付かないのである。
だから、今回の料亭もおそらくは、安い業者を探すための手段であり、比較対照されるための資料に過ぎないと、半分あきらめながらもいつも通りに調査して、後日報告書を提出した。
すると、呼ばれた。話が聞きたい。とのことである。調査報告書に分かりにくい部分があったのか、と思いながらお伺いしてみると、これが正式発注だった。しかし、その発注理由が面白い。
オーナー氏いわく、「他の5社は、全部2カ月間でネズミは止めます。と言っていたが、あなたの報告書では10カ月間を要するとなっていて、他社より大幅に期間が長いけれど、どうしてですか。そして、期間が長いから費用も一番高い。なんとかならないのか。」と聞かれたので、私は、「そんなに短期間でしかも安く止められるのなら、さぞかし優秀な会社でしょうから、どうぞ他社にご依頼下さい。」と答えた。
すると、オーナー氏は、「私は、この12年間という長い期間、毎日毎日ネズミと戦い、壁という壁を閉鎖し、100匹以上は捕獲してきた。そして、色々の会社の説明を聞いたけれど、みんな分かっていない。このビルの構造は複雑であり、そう簡単に駆除できない。駆除できない難しさが、他は分かっていない。言い当てたのはあなただけだよ。」とホメられて、結果的に契約して頂いた。一番期間が長くて、一番高い業者で申し訳ございません。