自由が丘のあるお店から、現地調査の依頼があった。聞いたことのない店名、だけど近付くにつれて、助手席のスタッフが、「この先の左のビルの地下1階の飲み屋さん、前に現地調査来ましたね。」と言った時、その嫌な記憶がアタリだった。カーナビのGマークすなわち、当該ビルが目的地だった。

店名は以前と違う、だけど同じビル。このビルのテナント様は、新しく変わると、弊社に調査依頼が来る。そして、テナントさんは、単なる被害者であり、ビルの構造上の問題が原因と分かると、弊社の見積書をビルオーナーに見せる。すると、オーナーは弊社の見積金額より安い業者を探し出す。

そして、安い業者に依頼して施工する。テナントは一安心する。が、再発する。この繰り返しなのである。

もう、このビルは、長年にわたり、自由が丘の宿なしネズミ達に≪巣≫を提供し続けるように、当該ビルの外周にネズミの糞尿による、臭い(フェロモンなど)がこびり付き、どんどん仲間を集めてしまう状況なのである。

弊社の見積書は毎回のように、少しずつ高くなる。安くなることは基本的に有り得ない。他社の駆除会社も粘着シートを使用したり、殺鼠剤を設置したりするので、学習してしまった<クマネズミ>を他社と同様の駆除作業では退治できないので、どうしても時間もかかるし、特殊なことをしなければならなくなる。他社が粘着シートを使用すれば、ネズミ達は避けて通るようになるわけで、弊社は様々の異なる手口でネズミと勝負することになる。

期間と手間が掛かるので、どうしても割高になる。初回の見積書でさえ、安くないように思われて、他社を探し続けておられるが、弊社もさすがに、もう5回目は行く気がしない。

葬式の場合、葬儀屋さんを選ぶ際に、間違って選んでしまうと葬儀の費用が高いものになってしまうと聞いたことがある。しかし、ネズミ駆除の場合には、業者を選び間違うと、何回も葬式をしなければならないのである。

残念ながら、このビルのオーナーは、近い将来にネズミの駆除で安いつもりの費用でも、5回目を支払うことになると思われるが、弊社はもう受け付けなくなった。ブラックリスト入りである。