弊社は、ネズミ駆除専門の会社であり、ゴキブリは対象外でお引き受けしていない。しかし、現実にはファーストフード・チェーン店本部様の直営店と居酒屋チェーン店本部様の直営店、そして、食品関連物流倉庫は、例外的にお引き受けしている。
なかなか駆除できなかったネズミを完全駆除したから、そのせいでゴキブリが増えてしまった、君の会社の責任だと詰め寄られ、ネズミ駆除のお得意様などでお断りできず、引き受けてしまっている。

そんなファーストフード・チェーン店のある旗艦店の店長様から、毎晩のようにお電話を頂いている。このお店は、創業以来一度もネズミが止まらず、ご苦労されていた店舗で、創業12年目にあたる時期に、弊社にご依頼頂き、2カ月間の施工でネズミの完全駆除に成功した店舗である。創業以来ずっと止まらなかったネズミを止めてしまったことで、歴代店長から出世された管理職の皆様からご信頼を頂いた。

ところが、13年目にもう出ないから、ネズミを見掛けることがなくなったから、契約解除となって、弊社は撤退した。ところが、どういうわけか再発し、ゴキブリも大発生の状態になっていた。そして、再び弊社にご依頼があった。弊社からしてみれば、こんなに酷い状態にしたのは、お宅の会社が契約解除するからでしょう、と言いたいが言えない。

先日も、その真面目な店長様から、「午後3時客席に5匹のゴキブリが突然出没したけれど、どうしてですか。」というお問い合せである。
「下校時間の生徒さん達ですね。」とか、「イベントの行列」などと言ってみたいが相手は真剣に悩んだ上での電話だから、軽口やジョーク等で返答する訳にはいかない。先日も「もうネズミは残っていないのですか。居るとしたら何匹ですか。」と聞かれて、「住民票がないから分からない。」と答えて睨まれた。

どうして団体で出没したか、原因や理由が分かっていれば、その前に止めているのに、何でも聞かれる。丁寧に答えないと、問題になるから丁寧に応えたいけど、返事に困る問いも少なくない。

真面目な店長様で、真剣なだけにジョークは禁物であるが、まともに返事しても、会話にならない。難しい。ゴキブリ捕るより、ネズミを完全駆除するよりも、ご説明とご理解を頂くことが難しいと痛感する。
でも、どこから出てきたとか、何時頃だったとか、大変協力的で前向きで、駆除業者にとっては本当に有り難い、しっかり者の店長様である。そのご協力のお陰でやっと急激に減少させることができた。しかし、いつぶり返すかも知れず、緊張感が緩められない。