最近大型の倉庫の受注が相次いでいる。技術的に難しく他社が施工できない事例ばかりである。大手のゼネコンが建設を請け負っており、建設終了とともにゼネコン系の管理会社が受水槽の管理、エレベーターの管理、諸々の管理業務の中で≪ネズミ駆除≫も入っている。

ところが、新築後1年半とか、2年など経過すると、ネズミの侵入があり、いざ侵入してしまうと捕獲できない。

先月受注した某案件は、4500坪の3階建てと3200坪の2階建ての工場である。産業用のロボットをロボットが作っているという工場で原則は無人状態なのである。正確には1人の監視員が居るけれど、居ないのと同じぐらい。

今月の案件は、6800坪の倉庫で3階建てである。食品倉庫であるが、自動化されていてロボットが14mの高さの棚まで荷物を取りに行ったり、置きに行ったり、自動的にピックアップなどして戻って来る。省力化という人間の削減である。

いずれも人件費を削減している一方で合理化と効率化のために、物件としては大型化している。

それで、恐ろしいことに弊社の請負金額が、何と居酒屋1店舗分程度の予算しかないのである。人件費以上の管理費のコストが削減されている。宅配便の会社も同様で、「もう少し値上げさせて下さい。」とお願に行くと、経常利益率などという財務諸表というヤツを見せられて利益がないのだから無理との返事しか返ってこない。

デパートの1棟とか、ステーションビルなどの場合は、良い売上になるけれど、ローコスト化の限界点のようなものを感じる。
倉庫や工場の世界は、聞くところによると<乾いた雑巾を絞るようなもの>というコスト意識を持っている世界らしい。

他社では出来ない、と言われてしまうと、存在意義(レーゾンデトゥール)を感じて仕事しているが、歩き回るだけでも広すぎて、考え込んでしまうことが少なくない。