都心の古いアパート、家主からのねずみを駆除したいとの依頼の連絡があり、現地調査に行ってきました。3部屋のうち、外国人と日本人の妻のお宅、外国人同士のカップルのお宅、日本人の独居男性のお宅、この3室が賃貸になっていて、残りには大家さんが住んでいるというアパートでした。
外国人のお宅に入ることが、英語の苦手な我々としては、大きなプレッシャーである。英文科出身者がいない弊社としては、国際化の時代になって、困ることがよくある。
今回の場合は、外国人の男性と日本人の奥さんというご夫婦のうち、外国人の男性の方が立ち会って下さった。
その外国人の部屋に入る前に、弊社スタッフの一人、日大ゴルフ学部日曜大工学科出身という彼は、古いアパートだけど、外国人というのはかっこ良くリフォームかなんかしちゃって、住みやすくしているんだよね。彼らのインテリアに関する感性は、学ぶべきものがある。というのです。
確かに良くあるね。と言いながら、インターフォンを鳴らすと、背の高いチョイワル風というべきか、カッコいい俳優さんのような外人が、「ちょっと待ってね。」と言いながら、ドアを開けて下さった。この一言、完璧な日本語のイントネーションを聞いて、すべては安堵した。
見事な日本語で、どこでネズミの音がするのか、自分達は粘着シートを使用して、何匹捕獲したか、音がうるさくて寝られないという被害状況、リフォームは合板を使用し、アパートの強度も増しているはずで、リフォームによる悪影響などの落ち度はないこと、死骸の臭いは堪らないから、殺さないでネズミを駆除して欲しいなど、要求内容や居住者としての正当性など、まくし立てるという品の悪さではなく、ジョークも交えて、見事な日本語で論述されたような流れだった。
「日本語お上手ですね。」と言えば、「多分家内の方が上手かも知れない。」と日本人の妻を引き合いに出す。狭い台所の流しの下を確認していると、「先日、そこでゾウを見た。」というので、「ぞう?」と聞き返せば、「エレファント、なんちゃって」と返してくる。
日大ゴルフ学部氏もチュウ太郎も、少ない単語の中から、綺麗な英語であり、米語ではないと聞き取ったが、颯爽と自転車で消え去ったチョイワルおじさんに、やられてしまい、今後のねずみ駆除より、おジさんとの対決が難しいと実感した。それにしても、同様のケースが多いが、中国人とは対応が大違いだ。実感。