弊社の仕事は、ネズミ駆除です。天井裏に入ったりしますので、スタッフは作業着を着ています。外見上は掃除屋さんなどと区別が付かない服装です。
お客様の視線からすれば、我々の仕事としては見える部分は、金網で塞いだり、粘着シートを敷いたり、まったく他の業者と変わらないと思います。というより、違いが分からないと思います。
例えば、ある物流センターでの話ですが、弊社にご用命頂く以前の駆除施工会社は、建物内に数百枚の粘着シートを仕掛けていました。それでも捕獲できず、物流センターに入荷する食品類を食い荒らして、納品先のスーパーマーケットなどからクレームが来ていました。
確かに、大型トラックだけでも数十台は接岸できるようなポートがあり、広さはめちゃくちゃ広いので、たった数匹でも生息しているネズミ達を捕獲しようとしたら、数百枚程度の粘着シートでは足りないと考えたのでしょう。もっともそれ以上は設置すると荷物の動きに邪魔して設置できないので、隅の方ばかり至る所に数百枚の粘着シートが設置してありました。
しかし、長期間設置していても、捕獲はゼロだそうです。
これに対して、弊社が初回の施工時に設置した粘着シートは、たった8枚です。これで捕獲に成功しています。
素人のお客様からすれば、今度の業者の仕事は手抜きのようだ。3名から4名程度で来て、さっさと仕事したかと思うと、単位時間当たりの仕事としては、高いとおっしゃるのです。
往復の高速代やガソリン代、人数分の人件費など、コスト計算として、その程度しか掛かっていないとお考えのようです。
確かに清掃業と比較されれば、単位時間の費用として高いと思います。しかし、掃除屋さんのように、今日は床を掃除して、明日はガラスを磨いて、というような時間単位で計画通りに事が進むような、単純な定型業務ではないのです。毎回同じ作業の繰り返しではないのです。繰り返しているように見えても違うのです。
同じ殺鼠剤の喫食があっても、ゴキブリが食べてしまう場合もあります。鳥が食べてしまうケースもあります。本当にネズミが食べたのか、何の種類のネズミが食べたのか、解析しながら作業を遂行するわけですし、帰社後も研究室にて顕微鏡を見たり、時には、大理石に穿孔するトレーニングをしたりするなど、見えない部分と時間やトレーニングなど、評価されるものではないのです。
医師などの場合、時間給が高くても当然のように評価され、学術レベルや経験値など評価されるのに対して、獣医師の優秀な先生方の勤務されている建物のネズミ駆除など実施できる弊社の実績や学術レベルは、いつも掃除屋さんと比較されているようです。白衣でも着れば良いのでしょうか。