「九州の物流センターにて喫食被害が発生したから宜しくね。」と本社の偉い方から私の携帯電話に連絡があった。
早速、新幹線に飛び乗って、博多駅にて九州営業所の面々と合流し、高速にて駆け付けた。現地調査の開始、間もなく侵入した犯人は、イタチと判明した。
「イタチだったのか、即刻捕まえるか、殺すか、して下さい。」とご依頼があったけれど、「私達としては捕まえたくないし、殺したくない。」これが本音である。
大体、物流センターの巨大な建物は、インターチェンジか主要幹線道路沿いなど郊外にあって、周囲が田畑だったり、林だったり、水田だったりすることが多いが、九州も周囲が丘と林になっている。
イタチが居ても当たり前。なぜなら、多くのネズミが生息している訳であり、このイタチ君、イヤイヤ、イタチ様のお陰でこの物流センターも長期にわたってネズミが出没しなかったと考えられる。
だから、イタチ様を殺そうものなら、ネズミ達は天敵がいなくなって、一気に増加してしまう可能性が高いことは間違いない。
林の中へ、遠くへ早く逃げてほしい。我々の処置に反応しないでほしい。と願いながら、初回の処置をして帰京した。あのイタチだって、ネズミなどのエサが減ったから人間社会に進出してきたに違いない。山へ帰ることが難しいのかも知れない。仕事だから、捕獲しない訳にはいかないが、ネズミ退治にとってはイタチ様なのである。