ある弁護士事務所から、「ネズミのことについて教えてほしいことがあるからお伺いします。」との連絡を頂いた。
そして、とある日、初老の弁護士の先生は、①木造の建物でネズミを完全駆除できない建物というのはあるのかどうか。②どうしてネズミは再発するのか。③ネズミの種類は、④ダニやその他の寄生虫とネズミの関係は、⑤・・何しろ熱心だった。そして、最終的には見てほしい建物があるとして、アパートの物件の住所を告げられた。

聞くところによると、家主はこれまでに数社のネズミ駆除会社に依頼しているが、どうしてもネズミが再発してしまう。これに対して、住人はネズミの完全駆除を要求している。
だから、実現できないなら家賃は支払うことはできないとして、家庭裁判所に供託することも考えているそうだ。
一方の家主は、老朽化であり、何社に依頼してもネズミは止まらないから、構造的にも無理であり、賃借人たちに出て行って欲しいと退去を求めているそうだ。
一方の賃借人たちは、ネズミを理由にして不当に退去させようとしていて、実際には建て替えを希望していて、そのための追い出すことの理由として、ねずみ駆除が不可能ということを言っている、と考えられているそうだ。

ネズミ駆除は可能なのか、不可能なのか。当社に寄せられた視線は、かなり熱いものがあった。興味津々というところであろう。そんな状況下で、私は調査結果の発表を迫られたが、あまりにも明解な答えであり、私の一言で、その場に居合わせた人々がどんな声を上げるか、予想されるだけに、郵送でご報告させて頂きますと、答えて帰路に着いた。

答えは、完全駆除が確実に可能です、という結果だった。あの家主の息子さん、さぞかしがっかりされているだろうと思われる。