クマネズミ

最近、都会に多いのは、<クマネズミ>という種類です。

この<クマネズミ>は、熱帯の原産ですから、暖かい所を好む傾向があります。

<クマネズミ>の最大の特徴は、垂直壁を物凄い速さで、駆け登ったり、駆け下りたり、何も不自由なく、自由に行動することができることです。

都市部の高層化したビルでは、8階のレストラン街で大繁殖した事例など数多くあります。

ビルの場合には、冷暖房が完備していて、コンクリートが熱量を多く蓄える性質があるため、冷房を切った深夜でも、暖房の入っていない早朝でも、徐々に放熱するために、とても快適に住み心地の良い環境になっているわけです。

<クマネズミ>は、本来であれば、春から秋口ぐらいまでが繁殖期なのですが、このような快適環境ですので、場所によっては、一年中繁殖し続けるようになってしまいました。

生後65日目ぐらいには、成獣になって妊娠してしまいます。

そして、初回は少し少ないものの、2回目の出産からは10匹前後の子ネズミを出産します。

ねずみ駆除

そして、出産した当時も含めて、5日以内には次の妊娠が可能なのです。

妊娠期間は、<ハツカネズミ>であれば、20日間ですが、<クマネズミ>の場合には、21日目に出産します。

ですから、ほぼ1ヶ月サイクルで妊娠と出産を繰り返し、それこそ【ネズミ算式に増加】するのです。近親相姦もしますので、兄弟間や親子間でも繁殖します。

一組の<クマネズミ>の夫婦が一年後には9400匹にも増加するなどという計算がありますが、実際には、食料が足りなかったり、居住空間が狭かったりしてしまうと、共喰いするために、増加率にして10%前後ではないかと言われています。

ですから、現場ごと、環境が整っているところでは、急激に増加している現場も数多くあります。

ねずみの習性 【ドブネズミ編】

ドブネズミ

その他としては、<ドブネズミ>という種類がいます。

この種類は、大きさでは頭胴長(頭から尾の付け根までの長さ)が成獣の場合には、22cm~26cmに達します。

大きさで比較すれば、クマネズミより大きい種類とお考え頂いて結構です。

そして、特徴的なのは、尾の長さが頭胴長さの0.7倍~0.9倍程度と比較的短めという特徴があります。

クマネズミの場合には、尾の長さの割合が長いのに対して、ドブネズミは若干短めという間隔でお考え頂ければ、宜しいかと存じます。

その他の身体的特徴としては、耳が小さくて肉厚ということです。

前に倒してみると、目まで届きません。(クマネズミは届きます)

ドブネズミは、住宅に住み着くネズミの中では最も大きいタイプということになります。

性質は、荒っぽくて獰猛そのものです。

基本的には動物性のエサを好みますが、何でも食べてしまいますし、食欲は旺盛です。

原産地はアジア中央部と言われています。

現在は世界中に生息しています。

ドブネズミという名前から分かるように、下水などのドブ、床下などを好んで走り回る一方で、高い所を極端に嫌います。

ですから、二階で物音がするとか、天井裏で走り回っているというような場合には、95%以上の確率でドブネズミということは考え難いと言えます。

60cm以上高い所には行かないからです。

本来は、土の中に穴を掘って≪巣≫を作ってきましたので、アスファルトで舗装されたり、コンクリートで覆われたりしたために、生息し難くなってきていて生息数が減少しているようにも感じられます。

繁殖については、妊娠期間もクマネズミと同様で21日間ですし、出産する子ネズミの数も若干少ない程度で個体差もありますから、一定ではありませんし、生後65日程度で成獣化して妊娠してしまいますので、繁殖力という増加の仕方では【ネズミ算式】という言葉が当てはまります。