弊社では、依頼主との間で契約書により様々のお約束がある。そんなお約束の中に守秘義務があるので、どんな依頼主なのか、どんな建物なのか、特定できるようなことは一切言えない。
だから、漠然としたことしか書けないのでお許し頂きたいのだが、弊社の施工先に、数百万人の人々の生命に影響する建物を施工している。そして、保証期間も5年間を求められている。
だから、完全な施工というレベルではなく、考えられる限りの施工であり、相当に耐久性のある施工を実施しなければならない。

そんな建物において、弊社のチームリーダーが不適切な施工をしてしまった。施工を終了して帰社した後、反省会での議題となり、厳しい検討を重ねて検討結果は不適切であり、やり直しの施工を実施しなければならないこととなった。

チームリーダーは9年目のキャリアがある。知り抜いている筈の人間である。この業界では3年もすると退社してしまう人間が多く、定着率の悪い世界である。そんな中で9年間は希少価値とも言えるが、それでもミスをしてしまった。

そんな中で、私が最も落胆しているのは、部下の存在感がないことだ。部下の立場にある者も経験は、4年目になっている。それなのに、不適切な施工を同調してしまっている。異論を唱えていない。両者ともに、楽な施工を選択してしまったのである。

真剣に怒鳴り合っても良いから、仕事で妥協するな。と常日頃から言い聞かせているのだが、どうしても先輩社員の一言に妥協してしまっている。しかも、安易な方向に流れていること、いずれも見るべきものがない。情けない。

次回施工では、前回の施工を撤去してすべてをやり直すこととなった。止むを得ない。完全駆除を標榜しているため、5年間保証しているため、数百万人の命に直結するため、妥協は許されない。クライアントも妥協しない弊社の業務を期待しているのであるから、止むを得ない。