現地調査の依頼があって、お伺いしたのが下町のラーメン屋さんでした。あるチェーン店の看板が掲げられていて、フランチャイズ・チェーンの加盟店だそうです。

ご主人の話によると、サラリーマンをしていたけれど、希望退職を募るなど、会社も赤字続きで将来に不安を持った。そこで、独立を考えたけれども、特に専門知識や特殊分野に詳しいこともなく、ノウハウも持っていないことから、フランチャイズに加盟する方向で色々と検討し、奥さんと二人で経営できそうなラーメン店のフランチャイズ・チェーンに加盟したそうです。

独立資金も比較的少なく、営業担当者に見せられた資料によれば、サラリーマン時代の年収と比較するとかなり良くて魅力的、案内された他店も繁盛していた。だから加盟したそうです。

ところが、実際に経営してみると、赤字続きで契約解除しようにも違約金を要求されてしまうし、内装もエアコンのほとんどの物がリース契約で借金が残るだけであり、どうしても5年以内は契約解除すると大変なことになるため、奥さんはリースの支払いのために近所のスーパーにパートタイマーとして勤務し、お店は旦那さんひとりでやりくりしているそうです。

毎月目標売上の300万円には程遠く、そのうえ売上高の5%をロイヤリティーとかで徴収されるそうで、強制的に購入する食材はすべてが高いそうです。

本当にかわいそうになりました。お店の隅々を見れば、単なる愚痴ではなく切実な問題であることが認識できました。

ノウハウがない、だから、フランチャイズ加盟、良く分かりますが、大変なことですね。幸いにも私には、長年の研究により、ネズミを捕獲するノウハウがありますので、神様に感謝する次第です。

働けることの有難さを再認識し、世の中に必要とされていることに幸福感を感じ、改めて自分の足元を見つめ直したいと思いました。