私の友人が事業を起業した時、私は「失敗しても良いから頑張って」と言い、誤解を招いてしまったようだ。いわゆる顰蹙(ひんしゅく)を買ったのである。

私の真意としては、誰でも失敗することなく、次々に考えることのすべてが成功するのであれば、3日で財閥になってしまうであろう。すなわち、誰でも失敗するのである。丁寧な言い方をすれば、誰でも失敗なしに簡単には成功できない、ということである。

失敗することを恐れては、何もできない。
失敗を上手にすることを身に付けなければ、成功は有り得ない。
成功があるとしたら、失敗を学んだ上で、初めて獲得できるものだ。
インターネットはリアル店舗ではないので、失敗しても簡単にやり直せる。

などという考え方を持っていた。ところが、「失敗しても良いから・・・」という一言は、相手を傷付けるのに充分な破壊力のある毒だったようだ。

親友が失敗しても良いなどとは、決して考えていない。単純に、蛮勇を奮ってでも頑張ってほしいと願っただけだった。

しかし、開業して、間もなく思うように業績も伸びず、赤字続きで事業の存亡が掛かっているような状況になっている友人に対して、「失敗しても良いから・・・」というのは、余りにもタイミングが悪すぎたのであろう。

相手の状況に配慮が足りなかった。猛省しなければならない。